一般的に、データサイエンス(データ分析)には、
1. ビジネス(現場)力
2. サイエンス力
3. エンジニア力
の3つのスキルが必要と言われます。
近年、言語化・定型化された仕事が得意なAIの登場により、相対的にエンジニア力の必要性は低下していると
言われています。
では、将来は、AIにデータ分析業務をすべて任せられるのでしょうか?
私の答えは『NO』です。
AIの進化により、AIが担える業務領域は確実に広がります。
しかし、施策の主体が「人」である限り、正しい「問い」を立てるのも、「人」。
最終的な意思決定を下すのも、「人」です。
AIが「そう言っているから間違いないだろう」という姿勢は、極めて危険です。
重要なのは、AIの強みと弱みを理解し、いかに共創するかです。
AIが苦手とする3つの領域
① 問いの設定
AIは与えられた問いには答えられますが、背景や目的を踏まえて、ゼロから意味のある問いを立てることは苦手です。
正しい問いを立てるには、現場知識、倫理観、目的や背景の深い理解が必要ですが、これらはAIが自動で
学習しきれません。
② 解釈と判断
AIは分析結果の価値や意味を判断することができません。
例えば、「体重減少 -1.0Kg」という効果が十分かどうかは、社会的・実務的な文脈や責任を踏まえて
評価する必要があります。こうした価値判断は人間にしかできません。
③ 仮定の吟味と検証
AIは正しい仮定を自動で選ぶことができません。
特に因果推論のような効果検証では、モデル選択よりも仮定の吟味が本質です。
背景や目的に沿った適切な仮定を設定し、検証する作業は、人の思考が不可欠です。